日中の太陽はまだまだ容赦なく照りつけて皮膚を焦がしてしまいそうですが、ガジマルの木陰は涼しい秋風です。
夏野菜の最後の収穫に出かけた年長さんが、満足そうな顔で帰って来ました。少し固くなったオクラ、ぴかぴかのナス、ねじれたキューリ・・・などなどを手に真っ赤なホッペ、白い歯がのぞきます。少々固くなった野菜ではあっても、それは自分たちが育てたもの・・だれもがうれしくて「見てみて」と得意そうでした。
生きる力、このことばをよく耳にします。色々な場面で、生きる力が育っていると感じるのですが、今回のように、子どもたちが自分で収穫した野菜を、喜んでいる場面でも、「この子たちは生きる力が育っている・・・」と実感したものです。
さて、今月は運動会が楽しみです。あさから聞こえてくるエイサー太鼓の音・・・バラバラだった音が次第に揃いだすと、、そろそろ運動会が近いのです。 園庭の登り棒にいやいやながら登っていた子が、励まされながらこつを覚えていく様子が見えます。苦手なことへ挑戦する時、誰もが一度は「いやだなー」という顔をします。しぶしぶ「一回でいい?」と、まるで、保育士のためにやるんだ・・言わんばかりの様子です。 ところが、励まされ、ほめられ、なんどか挑戦しているうちに、こつをつかみ、少しづつ自信も生まれるのです。自分の身体でつかんだ「こつ」が「自分自身を励まし」「やる気」を育てているのです。頭でかんがえるのではなく、身体で獲得したことはいつまでも忘れません。財産としてしっかり蓄えられるのです。
運動会は、新しい経験がふえる事、とてもいい機会です。苦手なことがあることが、こんなにも素敵なことなんだと、感じさせてくれるのが、目の前の子どもたちです。
年齢ごとに発達は違います。そして年齢だけではなく個別的な発達もあります。発達目標は、一人一人たてられます。その子なりの発達時間をちゃんと待ちながら、次のステップへとつなげられようにと心がけております。
夜空を見上げると夏の星座「さそり座」がすでに西の空にありました。あーもう秋なんですね。残暑です。ご自愛ください。(園長)